past:決行
卒園式の何日か前、娘のお友達のお婆ちゃんに連絡を取り
ました。お婆ちゃんといってもすごく若々しい、理解のある方です。
その方の所には何度か遊びに行かせて貰っていて、子供達も
とても仲良しです。
本当に申し訳ないけど逃げるための通過点にさせていただこう・・・
ずるいですよね、私。
でもそうやって一旦カムフラージュしなくては昼間に家を出る事は
出来なかったのです。元ダンナは夜勤で朝方帰って来るので、
その昼間、寝ている間に遊びに行く振りしてそのままウィークリー
マンションに行ってしまおう・・・。
夜のうちからひっそりと当座の着替えなどを用意し、隠して
おきました。そしてリュックを子供達にはリュックを背負わせ、
私は大きな荷物を手に二つ、肩から1つ提げ昼間に家をでました。
もう超ドキドキ!!心臓がいくつあっても足りない!!!
というのも、そのマンションには元ダンナの兄夫婦が2軒、そして
従兄弟が1軒住んでいたからです!両親は歩いて5分の所。
下手すれば出て行く所とか見られるでしょう。見られても怪しまれ
ないように、出来るだけ少量の荷物で出ました。
本当に生きてる心地しません。
近くまで娘のお友達のお婆ちゃんに迎えに来てもらい、事情が
あって大荷物ですみません・・・とだけその時は言い、家を
後にしました。何日だったかは覚えていません・・・。
さて、お友達の家に着き、子供達は3人で楽しそうに遊び始め
ました。お友達のお婆ちゃんには何も言わないで行こうとした
のですが、騙すのは心苦しく、ちゃんと訳を話して納得をして
貰った上で協力を頼んでみよう・・・と思い、今までの出来事を
かいつまんで説明しました。
お婆ちゃんはとても聡明な方なので、全て言わなくても私の
状態を見ただけで大体ピンときたのでしょうね。訳を話して
何も不平や不満を言わず私に協力をすると言ってくれました。
��まぁ、もう遊びに来ちゃってるし、協力をせざるを得ないので
非常にずるい奴ですけど・・・)
そして、約束の時間になりました。
約束の時間に、約束の場所にお迎えが来ました。Nさんが車で
迎えに来てくれたんです。
そして、大荷物を抱えたおばあちゃんが車で約束の場所まで
送ってくれました。
「こんな事言っちゃあなんだけど、あの人(迎えに来た人)は
大丈夫なの?安心できる人なの??とにかく元気で気を付けて
頑張ってね!」
なんとお礼を言うべきか・・・。
心配そうなおばあちゃんを後に、Nさんの車で一路避難場所へ
向かいました。
車で1時間くらいだと思います。最初30分は過呼吸にでもなるか?
というくらい心臓がバクバクし、すぐ見つかるのではないか?
バレるのではないか?と本当にビクビクしていました。
後の30分くらいでだいぶ家からは離れ、段々と気持ちも落ち
着いてきました。
あとでNさん曰く
「半分死んだような顔してた」
まぁ・・・半分死んでましたよ。あの日は特に。
避難場所には無機質なほど何もなく、3部屋とLKがあるとても
大きなマンションの1室。どの部屋にも同じベッドとパイプハンガー
そしてハンガーがかかっていました。食事が出来るようにある程度
のカトラリーや、お皿、調理器具、調味料、家電などがありました。
そこで何もかも終わったかのような脱力感と、安堵感が湧いて
きました。そして疲れもどーーーっと。
はぁ・・・これで何もかも上手くいけばいいのになぁ・・・