【NetFlix】アンオーソドックス ハンドメイズテイルを地でいく
一見華やかで幸せそうな結婚式のシーンのように見えますが、私にとってはメーター振り切った非日常、ありえない世界を描いているドラマです。1つ前に書いた記事の「KALIFAT」も、私にはとても遠い世界のお話のようで、でも広い世界実際に起こっているもしくは起こる可能性のあるドラマだったわけですが、
このドラマは本当にぶっ飛んでいるな・・・と思ってみていたのですが、これ、実際に起こったことをベースに作られたドラマなのです。
・・・え。実際に起こったんですかこれ？・・・
って言うかね、ハンドメイズテイルをみた時に、これが現実でなくて良かったぁぁ・・・って思ったのに、まじでハンドメイズテイルを地でいくような。まじで恐ろしい世界です。
マンハッタンには何度か訪れたことがあり、このような風貌をしている男性を見かけたことは何度かあります。金を取り扱っているお店の多い界隈かなー、その辺にユダヤ人の人たちが多いと言うのを聞いたことがあります。彼らは頭が良くてお金持ちだと言うのも。
そんな人たちの中に生きる一人の女性のお話です。お話のモデルはこのお話を実際に体験した原作者の方です。その女性がこうやって体験談をドラマに出来るまでには、大変な苦労があったと思います。苦労と言うには生易し過ぎるかも知れないけど。人間って強いんだなぁ・・・と改めて感じさせられるドラマでした。
こちらは同じくNetFlixで公開中のドキュメンタリー「ONE OF US」ですね。全く同じユダヤ教コミュニティの話を題材にしたものです。アンオーソドックスはドラマ、こちらはドキュメンタリー。脚色があるのは、アンオーソドックスの主人公の女性のコミュニティ外での生活だけですね。あとはこのドキュメンタリーと全く同じ・・・。
このドラマ・ドキュメンタリーを見る前に、知っておくと良い事柄にユダヤ教とハシディズム・・・でしょうか。
まず、ユダヤ教と言う宗教があるのはどなたもご存知だとは思うのですが、どんな宗教でもライトな信者とコアな信者といると思います。日本人も色んな宗教の宗派の人がいて、お坊さんになる人や信心深い人がいたり、私のように一応仏教徒・・・かも知れないけど、お正月に神社にお参りするし、見かけたり旅行に行ったらお寺にお参りするくらいの超ライトな人もいると思います。
ユダヤ教とは
こちらに詳しく載っています。実は私も今読みましたｗｗへぇぇそうだったのか、と言うところもあり宗教も色々です。その中でもハシディックは超正統派になる宗派なんですね。
ハシディック派はニューヨーク ブルックリンにもコミュニティがあり、このコミュニティだけ、そこだけ別の国で出来ているような、そのコミュニティの周りには国境が敷かれているような感じです。
男性は全身黒の服装でもみあげが美しい感じでクルクルしていますｗ安息日にはシュトレーメルと言う面白い形の帽子を被るそうです。
↑こんな帽子。普段はふさふさしてない帽子見たいですね。これはミンクの毛皮で出来ているってドラマのメイキングで言ってたので、めっちゃ高価なんじゃないかなと思います。
こんな感じでもみあげがクルクル美しいｗｗ
女性は、驚くべきことに、結婚する時に丸刈りにされます@@;なぜかって、美しい髪の毛で男をたぶらかすんじゃねぇって事らしいのです。ドラマやドキュメンタリーの中ではベリーショートな髪型をウィッグで隠していましたね。
とにかく、超正統派の宗教の掟は非常に厳格で、すべての人がそれを遵守して生活しています。少しくらいいいじゃん？って人はいないみたいで、少しくらい・・・って思った時点で、もうこのコミュニティにいられなくなるくらいのものみたいですね。
つまり、少しくらいいいじゃん？って考えることすらないと言うことです。例えば白と黒があって、黒しか知らなければ黒しかなくて、白の存在は分からないってことなんです。
そんなコミュニティから外の世界へ抜け出す女性エステル・シャピロ、通称エスティの物語がアンオーソドックス。
↑ほら。丸刈りにされている。これ、喜んでる顔ではないです。泣いている顔です。
泣いている時点で心の中で何かと戦っていると言うことだと思うんですよね。
エスティがコミュニティから逃れ、着けていたウィッグを取って真の開放感を味わっている、象徴的なシーンです。これ、入水自殺とかじゃなくてｗ知り合った若者たちに誘われて湖で泳ぐシーンなんです。若者たちは自分たちの水着で日本のどこでも見られるような、「わーーーっ！」と湖にしぶきを上げて入っていくようなシーンですｗだけどエスティだけ最初は恐々・・・服を着たままそーっと入っていくんです。
エスティと夫のヤンキー。ヤンキーはもちろん超正統派なのでちっちゃ帽を被りもみあげ。もちろん、安息日とか結婚式とかにはミンクのドーナツ帽を被ります。（冒頭の画像参照）
エスティを演じるのがとぉっても可愛らしいShira Haas（シーラ・ハース）と言う女優さん。なんとなくナタリーポートマンを思わせる感じがするのは私だけかな。
夫のヤンキーは・・・ヤンキーっていうとあれですかｗｗｗ
ヤコブ・シャピロ 通称ヤンキーを演じるアミット・ラハヴさんです。短髪だと全然雰囲気違うなぁ・・・。
この右側がヤンキーですね。もみあげがクルクルしてます。このもみあげね、カーラーで巻いてましたよｗｗｗ（ドラマ中で）
ハシディックの女性はそうでない女性から見たら、ものすごく虐げられているんです。男性に。だから「ぎぇぇぇありえねぇ！！」って思うんですよね。でも生まれたのもこの世界の中、そしてその世界の中で育ち大人になっていくと、多分何も不思議に思わないんでしょう。
でもニューヨークにいるんだよ。普通に旅行客とか歩いていて、その人たちのファッションとかやっていることとかを見て「？？？」って疑問に思わないのかな。どうして私たちはあれが出来ないんだろう？とか。色んなことに疑問を持った人たちが、おそらくこのコミュニティから逃れるんでしょうね。
ホロコーストで亡くなったユダヤ人全員を復活させるために、女性は出産マシーンとならなくてはならないらしく・・・ちょっとそれ違くね？？？っていうなんというか本当に恐ろしい世界。
このドラマを見た後に「ONE OF US」を見て、私からとても遠い世界の中身をちょっと見させていただいた気分です。女性達の苦労は計り知れないし、苦労している男性ももちろんいるでしょう。「ONE OF US」にはそんな男性も2人出てきます。
ハンドメイズテイルに似ている！と思ったのはおそらく、ハンドメイズテイルの作者がこういう極端な宗派の人たちのことを知っていて、もう少し違う風にした物語なんだろうなと思いました。というか、ハンドメイズテイルが強烈すぎて倒れそうになったのに、おとぎ話だからまぁいっか・・・って思ったのにｗｗｗ本当にあるってどういうことｗ
↑こちらに感想を書いています。興味のある方はぜひ！
そしてアンオーソドックス、ONE OF US共にぜひ見てみてください！私の言いたいことが分かってもらえるのではないかな？と思います！